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SpicyChat

この分野を調べていると、運営者が誰なのか分からないサービスの多さに驚く。社名も住所も書かず、フッターには年号だけ。決済情報を預ける相手としては、本来なら立ち止まるべき状況だ。SpicyChat が目を引くのは、そこが正反対だからである。

サイトの下部には、カナダ・アメリカ・キプロスの3つの法人名と、それぞれの住所が番地まで書かれている。加えて、アメリカの法律で定められた記録保持義務についての声明も掲げている。これは成人向けの事業者が守るべき規定で、これを明示しているということは、少なくとも法的な枠組みの中で運営する意思があるという表明になる。同じ分野の多くが黙っている部分を、この会社は開示している。

機能はロールプレイに寄せて作られている。キャラクターを作り、設定資料を組み合わせ、音声を割り当てられる。複数のキャラクターを同時に登場させるグループチャットもあり、一対一の会話では作れない場面を組み立てられる。作ったものを公開して他の人に使ってもらう仕組みもあり、この点は Chub AI と似た文化を持っている。

創作の道具としての幅は広い。キャラクターの性格や口調だけでなく、世界の設定や過去の出来事を別に持たせられるので、続き物の物語を進めることもできる。会話を楽しむというより、共同で物語を書く感覚に近い遊び方ができる。

料金は3段階に分かれていて、境目が分かりやすい。いちばん下の Get a Taste が月5ドルで、広告が消え、AIが覚えておく情報が持てるようになり、ペルソナを10体まで作れる。中位の True Supporter が月14.95ドルで、記憶が2倍に増え、チャット内の画像生成が無制限になり、返答も長くなる。最上位の I'm All In が月24.95ドルで、記憶はさらに倍、音声での返答とペルソナ100体が付く。年払いにすると17%引きになる。

この刻み方は良心的だと思う。月5ドルという入口があるおかげで、「広告が邪魔」という不満だけを解消したい人が、機能を全部買わずに済む。逆に言えば、**無料のままだと広告が入る**ということでもあるので、そこは織り込んでおきたい。段を上げる基準は記憶の量と画像生成の頻度で、この二つが足りないと感じたときが上げどきになる。

言語も英語のみだ。会話自体は日本語で試せるものの、画面の案内やキャラクターの設定文は英語で読むことになる。この分野の日本語対応は総じて薄いので、ここだけの弱点ではないが、期待はしないほうがいい。

アフィリエイトの窓口が公開されているのも、この会社の性格を表している。紹介する側との関係を公式に用意しているということで、事業として整えられている証拠だ。読者にとって直接の利点ではないが、運営の姿勢を測る材料にはなる。

比較していうと、Chub AI が「他人の作った設定を探す図書館」なら、SpicyChat は「自分で物語を組み立てる工房」に近い。どちらも同じジャンルに見えて、重心が少し違う。既製品を楽しみたいか、自分で作りたいかで選べばいい。

そして選ぶ基準がもう一つある。運営の身元が分かることに価値を感じるかどうかだ。この分野では、その透明性は決して当たり前ではない。同じような機能なら、名前と住所を出している側を選ぶ、という判断は十分に合理的だと思う。

登録は無料でできるので、価格が見えない問題は入ってから確かめる形になる。中を見て、想定より高いと感じたらそこで止まればいい。少なくともこの会社は、逃げも隠れもしていない。

グループチャットは、この種のサービスの中でも扱いが難しい機能だ。登場人物が増えるほど会話は散らかりやすく、狙った展開に持っていくには設定の作り込みが要る。うまく回ったときの面白さは大きいが、最初から欲張らず一対一で感覚を掴んでから広げるほうが確実だ。

情報開示の話をもう少しだけ。3か国に法人を置いているのは、決済や規制の要件に地域ごとに対応するためだと考えられる。手間のかかる構えをわざわざ取っているという事実そのものが、短期で畳むつもりがないことの傍証になる。

同じ機能を持つサービスが並んだとき、最後に効いてくるのは信用だ。この一点で、ここは選びやすい部類に入る。

  • 運営会社と所在地を3か国ぶん公開している
  • 法定の記録保持声明を掲げている
  • キャラクター・設定資料・音声まで自分で作れる
  • グループチャットで複数キャラと同時に話せる
  • 月5ドルから始められる3段階の分かりやすいプラン
  • 無料のままだと広告が入る
  • 画面は英語で日本語表示は用意されていない

関連: キャラチャット・ロールプレイ