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Chub AI

この種のサービスを「AI と話す場所」と説明すると、半分しか伝わらない。Chub AI が実際に近いのは図書館だ。誰かが作ったキャラクターの設定が大量に並んでいて、それを借りて物語を始める。話し相手を探しに行くというより、面白そうな本を探しに行く感覚に近い。

登録せずに中を見られるのが、この場所の親切なところだ。検索画面には無数のキャラクターが並び、それぞれに閲覧数と会話数が表示されている。100万回以上見られている設定もあれば、作られたばかりのものもある。数字が見えるおかげで、何が支持されているのかが一目で分かる。買う前に中身を確かめられる書店のような作りだ。

面白いのは、単なるキャラクター置き場に留まっていないことだ。Lorebook と呼ばれる設定資料を別に用意して組み合わせられる。世界の歴史、地名、用語 — キャラクター本体とは別に背景を持たせられるので、複数の登場人物が同じ世界を共有する、といった構成も作れる。物語を作りたい人向けの道具が揃っている。

作り手の文化があるのも特徴だ。人気の設定には「V2が出ました」といった更新の告知が入っていたり、他人が改良版を出していたりする。ゼロから書くより、良くできた設定を分解して学ぶほうが速い。この分野で上達したい人にとって、教材の宝庫でもある。

料金は分かりやすい。Mars と名付けられた段が一つあるだけで、月20ドル。これで用意されているモデルすべてに制限なくアクセスでき、音声も、画像などの生成も無制限に使える。新しいモデルが出れば先に触れる。段を選ぶ必要がないので、迷いようがない設計だ。

「無制限」の定義がきちんと書かれているのは誠実だと思う。Netflix と同じで1人ぶんという意味で、同じアカウントから同時に複数の要求を投げるとエラーになり、明らかな共有と分かる使われ方をすると制限がかかる。曖昧にせず線を引いてあるほうが、使う側も安心できる。

無料で試す道もある。新規の利用者には数十通ぶんのお試しクレジットが配られる。ただし定期的に配られるとはいえ一度きりの性格のもので、無料のまま遊び続けられる設計ではない。この場所の価値は他人の設定を探せることなので、その部分は無料でも味わえるのが救いだ。

もう一つ面白いのは、他のチャット環境から接続して使えることだ。ここで契約したモデルを、別のアプリの裏側として動かせる。鍵の管理やサーバーの用意をせずに大型モデルが使える、という位置づけになっている。単なるキャラクター置き場ではなく、モデルの提供元としての顔も持っているわけだ。

もう一つは言語で、**画面は英語のみ**。キャラクターの設定文も大半が英語なので、日本語で遊ぶには自分で翻訳するか、日本語の設定を自分で書くことになる。もっとも、この場所の価値は他人の設定を借りられることなので、英語が読めないと魅力の大半を取り逃がすことになる。

運営は3年以上続いていて、この分野では長寿の部類に入る。入れ替わりの激しい業界で続いているのは、それ自体が一定の信頼材料だ。ただし運営会社の情報は公開されておらず、身元の透明性という点では他に譲る。

向いているのは、既製のキャラクターと話すことに抵抗がなく、むしろ他人の作った設定を探すのが楽しい人だ。逆に、自分だけの相手を作って長く育てたい人には、コンパニオン系のサービスのほうが噛み合う。ここは関係を育てる場所というより、物語を試す場所である。

始め方としては、登録せずに検索画面を眺めるところからでいい。人気順に並べて上から見ていくと、この場所が何を面白がっているのかが分かる。そこで手が止まる設定があれば、あなたはこの図書館の利用者に向いている。

料金が見えないことだけは、契約前に必ず自分の目で確かめてほしい。登録してから価格を知る形になるので、想定より高ければその場で引き返す判断も必要になる。

この場所を使いこなす鍵は、検索の仕方にある。タグで絞り、閲覧数で並べ、更新日を見る。人気のものが自分に合うとは限らないので、いくつか試して肌に合う作者を見つけるのが近道だ。気に入った作者の他の作品を辿るという、書店での本の探し方がそのまま通用する。

設定を自分で書いてみると、この分野の理解が一段深まる。どう書けば意図どおりに動くのか、どこを曖昧にすると自由度が上がるのか。他人の設定を読んでいるだけでは気づかないことが、書く側に回ると見えてくる。公開すれば反応も返ってくる。

この分野で長く遊ぶつもりなら、こうした共有の場を一つ知っておくと世界が広がる。自分では思いつかない設定に出会えることが、いちばんの収穫だ。

  • 登録なしでもキャラクターを検索して眺められる
  • 閲覧数が公開されていて人気作を見つけやすい
  • 設定資料 (Lorebook) を組み合わせて世界観を作れる
  • 月20ドルの一段階のみで迷わずに済む
  • 作った設定を共有する文化が根づいている
  • 無料で試せるのは数十通ぶんの一度きりのクレジット
  • 画面は英語のみで日本語の案内がない

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